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衛生看護専攻科の治療食事前講義を行いました

  • 衛生看護専攻科の治療食事前講義を行いました

8月19日(月)と20日(火)の2日間、衛生看護専攻科の2クラス合同で、治療食の事前講義を行いました。
21日(水)と22(木)に行う治療食の調理実習に先がけて、保健と医療における栄養の役割を学ぶものです。

本年も講師を務めていただいたのは、帝塚山大学食物栄養学科の河合名誉教授です。臨床栄養学が専門で、長年病院や医療教育の現場から病院治療食の啓発と向上にあたってこられました。

1日目の講義は河合先生の挨拶と自己紹介のあと、栄養学の基礎を復習。人間栄養学の基本的な考え方や、超高齢化社会を迎える日本でますます大切になる保健としての栄養について学びました。

食品に含まれる栄養素やカロリーを重視する食物栄養学に対して、人間栄養学ではその人自身の栄養状態を中心に考えます。同じ食事をしても、消化能力やホルモンなど多くの要素によって、栄養の利用効率に個人差があるためです。

また、看護職に携わる人間が栄養や治療食について学ぶ意義についてもお話をいただきました。
これからのチーム医療では職種の垣根を越えて、医療に関わるすべての者が栄養の知識を身に着ける必要があります。NST(栄養サポートチーム)を設置する高度医療機関も増えており、とくに看護師は栄養ケアマネジメントの中心となることが期待されています。

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2日目は前日の講義を受けて、具体的な栄養補給法と、治療食(病院食)の種類や目的を学びました。

栄養補給法には経腸栄養法と経静脈栄養法があり、調理実習で作る治療食は、経腸栄養法の中でも口から食事をする経口栄養法に分類されます。もっとも自然で、感覚に刺激を与えることができ、生きる元気の源となる方法です。
そのため食事が難しい患者に対しても、食べやすい工夫をした治療食を提供することが望ましいとされています。

講義では身長・体重や疾病の種類、嚥下能力などさまざまな状態に寄り添った治療食の種類を学びました。たとえば軟食や流動食、特別治療食などです。
調理実習ではいよいよ、常食に加えて、特別治療食の1種である低エネルギー食、低脂肪食、低たんぱく食を作ります。

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2日間の講義を通じて、知識だけでなく河合先生ご自身が触れてこられた医療現場でのエピソードも紹介され、学生たちはしっかりと耳を傾けていました。