本校と同じ高田キャンパス内にある奈良文化幼稚園が春の遠足を実施。年長・年中は奈良公園（東大寺近辺）に行きました。高校子ども教育コースの三年生も参加して、園児と触れ合いを深めると共に、幼稚園教諭の仕事について学びを深めました。

　生憎の雨模様でしたが、バスから降りると、東大寺は平日というのに人の波また波です。一旦整列してお手洗いを済ませるとクラスごとに歩き始めます。幼稚園教諭からは早速手洗い内の確認、歩行の隊形と付き添う位置、人混みの中で絶対間隔を開けないことなど、矢継ぎ早に注意を頂きます。可愛い制服の一団は外人ツーリストたちの注目の的。歩いているだけで周りに人垣が出来て隊形が崩れそうになります。しかしそれ以上の難敵は奈良公園名物「鹿」でした。大人の目線とは違って園児から見ると鹿は大きく、慣れていない園児にとってはオソロシイ動物です。園児らを守りつつ、一人の迷子も出さずに大仏殿までたどり着くのは、それはそれは大変なことでした。コース生らの顔には、日頃の幼稚園教諭の苦労の一部を体験しただけでもう、いささか疲れが見えました。

　大仏殿ではクラスごとに歩きながら担任教諭が大仏のこと、蓮の花弁のことなど順に説明して行きます。こうした教諭らの動きはコース生にとって何よりの勉強になります。「おねえちゃん先生」としてお手伝いをするかたわら、実習生として実地に学ばせて頂くことができました。

　見学が終わって大仏殿を出ると、幸運なことに雨も上がり、お外でお弁当を広げることが出来ました。コース生らはそれぞれ配属されたクラスの園児らの中に入り、お話ししながらランチタイムを楽しみました。そしてお片付けをするとふたたび整列して園児らと共に南大門からバス駐車場まで歩いて行き、学校まで戻りました。

　参加したコース生の一人は遠足の一日について、「とにかく緊張しました。気を抜ける時がなくて、幼稚園の先生は本当に大変な仕事だと思いました」と振り返っていました。幼稚園教諭や保育士をめざすコース生らにとって、またとない貴重な一日になりました。