奈良文化高等学校

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熱中症対策研修会を行いました

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 2025年7月8日(火)、夏の厳しい暑さが本格化する中、本校ではクラブに所属する生徒を対象に、「熱中症対策研修会」を開催しました。講師は笠次良爾(かさなみりょうじ)先生です。笠次先生は整形外科医を経て、奈良教育大学で教鞭をとっていらっしゃいます。また、猛暑のなか開催された、TOKYO2020オリンピック・パラリンピックのトライアスロン競技の選手医療責任者として従事されたご経験もあります。今回もスポーツドクターの視点から、安全で健康的な部活動を継続するために、熱中症への正しい知識と予防法を教えていただきました。

 熱中症とは暑い環境(体内・体外両方)によって生じる様々な身体の不調のこと。「熱中症になったことのある人は?」と先生に尋ねられ、手を挙げたのはなんと約半数近く。頭が痛くなったり、気持ち悪くなったりしたことがあるそうです。
 日本の年平均気温は1890年以降、上がり続けています。国内における熱中症による死亡事故も増加傾向にあり、熱中症に関する正しい知識を身につけることが必要になっています。もし、運動中にめまいやふらつきを感じたり、脚などの筋肉がつったり、だるさや頭痛、吐き気を感じたり、意識障害が見られたりした時は、ただちに運動強度を下げたり、対処したりする必要があります。

 まずは、熱中症にならないために自分たちがどんな工夫をしているか、グループごとに付箋に書いて模造紙に貼り付けていきました。「水分補給をする」「よく寝る」「太陽に当たらない」など、たくさんの方法が模造紙いっぱいに貼られました。
 1番多かったのは補給に関するものでしたが、熱中症対策はそれ以外も重要です。例えば暑熱馴化(しょねつじゅんか)、つまり暑さに慣れる身体づくりのこと。人間の身体は、暑さに慣れるために5日は必要と言われています。30分以上の運動を5日間行うことでその暑さに慣れることができるのです。そのためスポーツの国際大会などでは、選手は大会の5日以上前に現地入りするそうです。

 それ以外にも、日常の体調管理、熱放散、気象条件を予測するなど、1時間半という短時間でたくさんの熱中症予防法を教えていただきました。特に、服を汗で濡れたままにせず、こまめに着替えること、塩分は基本的に食事で摂り、2時間以上の運動をする場合にはスポーツドリンクを、熱中症になったら経口補水液を摂取する、食事や体重や排便などの日誌をつけるといったことは明日からでも実践できそうです。

 また、熱中症で命を落とす人は、真面目な性格であることが多いそうです。気温31-35℃での激しい運動は中止する、熱中症になった時の対応として、意識障害はあるか、水分補給はできるか、症状の改善はあるかをチェックし、いずれかが見られない場合はためらわずにすぐに救急車を呼ぶこともご指導いただきました。

 丸覚えではなく、メカニズムから解説してくださるわかりやすい講義に、参加した生徒たちも真剣にメモを取るなどしていました。
 
 この研修会を通して、生徒たちは「暑さに負けず、安全に部活動に取り組む」意識を高めることができました。今後も学校全体で安全・健康に配慮しながら、熱い夏を乗り越えていきます。
 ぜひご家庭でも、食事や睡眠、水分補給について声をかけていただけると幸いです。

2025-07-08(火)

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