醤油作りのワークショップを行いました
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2025年4月23日(水)、醤油作りの蔵の見学でお世話になっている、奈良県御所市の「片上醤油」さんにお越しいただき、普通科Ⅰ類26名の生徒が醤油作りのワークショップに参加しました。
片上醤油さんは、奈良県産大豆を主原料として杉の大桶の中で、自然の季節のままに発酵熟成する天然醸造の手法を守っておられる、創業されてから94年の醤油メーカーです。
前半での講義では、大豆を蒸し小麦と種麹を混ぜ麴室(こうじむろ)でねかせて麹を作り、その麹を塩水に入れ発酵管理をしながら1年以上かけて熟成、うまみを引き出し、仕上げに絞りと火入れを行う醤油づくりの工程について、蔵での作業や原料が発酵していく様子の動画とともに説明していただきました。また、「発酵」の定義や、麹カビの作った酵素が大豆のタンパク質を分解してうまみを感じるアミノ酸を作り出すことや、その工程の中で発生する酵母や乳酸菌についても学ばせてもらいました。
また、栗のようなまろやかな風味に変化した、大豆に麹カビが生えた状態のものや、「こいくち・うすくち・たまり・しろ・さいしこみ」の5種類の醤油を試食させてもらい、生徒たちにとって、それぞれの醤油の風味の違いをあらためて知る機会になりました。
後半は、「マイ醤油作り」のワークショップです。まず、麹と塩水をペットボトルに仕込み、発酵のスターターとして熟成諸味(もろみ)を加え、キャップをします。最初の4週間は発酵を遅らせるため冷蔵庫で休ませ、2,3日おきにボトルをゆすって軽く攪拌します。その後週1回の攪拌を行うと、5,6月ごろから発酵が始まっていくそうです。そして、発酵が進むと炭酸ガスが発生し、2層または3層に分離していき、その後、適切に攪拌して発酵管理を行うと、10月以降には熟成されていくそうです。
ワークショップの最後には、仕上げの火入れ(加熱)についてや、醤油を絞ったあとの残りの醤油粕のおいしい食べ方についても教えてもらいました。今日、仕込んだものは、生徒達の卒業の頃にはおいしい「マイ醤油」として完成するとのことです。その間、前半の講義で学んだ発酵の過程を自分のボトルで観察していくのも楽しみです。
2025-04-23(水)