奈良文化高等学校

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【食文化コース】奈良を知る「奈良の郷土料理」調理実習

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 2025年2月20日(木)奈良佐保短期大学の島村先生にお越しいただき、奈良の郷土料理を学びました。

 みやび棟3階のキッチンスタジオに着いた生徒から、えんじ色の帽子とエプロンの食文化コースユニフォームに着替えて、さあ、実習開始です!

 本日作るのは奈良の郷土料理をテーマにした献立。奈良茶飯、のっぺ煮、大和まなとしめじの柚香(ゆこう)和え、わらびもち、大和茶です。

 茶飯とは、煮出したほうじ茶に炒り大豆や小豆、かち栗などを入れて塩味で炊いた風味豊かなご飯のこと。東大寺や興福寺で炊き始められたことから、「奈良茶飯」とも言います。今回は炒り大豆を入れることで、お茶と大豆の香ばしい香りがふんわりと広がり、とても食欲をそそります。

 のっぺ煮とは、日本各地にある郷土料理の一つで根菜たっぷりの優しい煮物。薄味で煮込んでいるのが特徴です。また具材を大きく切るのもポイント。奈良春日大社若宮で催される「おん祭り」で古くから食べられてきた精進料理でもあります。里芋やにんじんなどの根菜をじっくり煮込んで、ほっこりとした味わいに仕上げました。とろみがついているので、冷めても美味しく、奈良の家庭料理として親しまれている理由がよくわかりました。

 大和まなは、奈良で昔から食べられてきた食材で、その歴史は古く、奈良時代初期に書かれた「古事記」にも記載されています。味は小松菜とほうれん草の間くらいで、冬の今が旬の野菜です。「大和まなとしめじの柚香和え」は、柚子の香りが爽やかで、食材の味を引き立ててくれました。シンプルな調理法ながら、素材の良さを活かした一皿です。

 また、わらびもちの原料であるわらび粉は古くから奈良が産地で、わらびもちは室町時代から奈良の名物とされてきました。ぷるぷるの食感に仕上げるため、火加減に気をつけながら練るのがポイント。今回は普通のきなこと青大豆のきなこ、両方をかけていただきます。

 そして大和茶は、1200年前に弘法大師が茶の種を持ち帰り、奈良で栽培したことが始まりとされています。昔から、「味は奈良(大和茶)、香りは京都(宇治茶)」と言われてきました。食事の締めくくりにぴったりの一杯です。

 実習を終えて、奈良の郷土料理には、地元の食材や伝統的な調理法がたくさん詰まっていることを学びました。どれもシンプルながら味わい深く、体に優しい料理ばかりです。家庭でも作れるので、ぜひまた自宅でも挑戦してほしいとと思います。

2025-02-20(木)

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