【衛生看護科】生命倫理学習会で「臓器移植」について学びました
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9月25日(水)、奈良県臓器移植コーディネーターの松下未輝先生を講師に迎え、「臓器提供と“いのち”について」というテーマで、衛生看護科が生命倫理学習会を行いました。
臓器移植は年々増加しており、2023年の一年間に全国で臓器を提供してくださった方の人数は過去最高の151人とのことです。1997年に臓器移植法が施行されてから、脳死状態のドナーからの臓器移植が始まり、日本でも肺・心臓などの移植が可能になりました。そして、2010年からは家族の承認があれば、小児の臓器移植も可能になったとのことです。講座では、脳死とはどういう状態であるかや、提供可能な臓器、脳死下での臓器提供の流れについて説明されました。
臓器提供は素晴らしいことですが、提供しない自由もあります。「もしも」の時にどうするかを、家族でよく話し合っておくことが大切だと、松下コーディネーターからお話がありました。例として、もし、我が子が脳死した時、臓器提供するべきか悩んだお母さまの話や、臓器提供を受けられた方から、個人情報を伏せての、ドナーのご家族へ宛てたサンクス・レターなども紹介されました。
臓器提供に理解を深めた後、グループでディスカッションを行い、続いて、腎移植の手術前後の看護の経験のある看護師歴20年の女性が、お父様の臓器提供を行った際の体験の動画が配信されました。脳死に至る病状、その時の家族の話し合いの様子や、臓器提供を決定してからの家族の心の動きなどを丁寧に語っていただき、生徒達はそのお話に真剣に耳を傾けていました。
講座の最後には、「移植医療には、医療従事者のドナーのご家族への態度が大切であることが学べました。」、「臓器提供することを、ご家族が前向きに考えることができるようにサポートすることも看護の仕事のひとつだと感じました。」、「この講座を機に、臓器提供について家族で話し合いたいです。」など、各学年の代表の感想が述べられました。
生徒達には、いっそう高い倫理観をもって、臓器を提供するドナー側と臓器を提供される側、両方の気持ちを考えることのできる看護師になることを期待しています。
2024-09-25(水)