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『伊瀬敏郎コレクション』目録完成、本校にて記者発表

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 本校は縄文から奈良時代の土器や石器など数千点の考古資料を所蔵しています。この度これらを整理し「本校所蔵考古資料目録-伊瀬敏郎コレクション-」と題した資料集を完成させました。この考古資料は、本学園創設者の伊瀬敏郎氏がわが国最古と言われる官道「竹内街道」付近の古墳や遺跡から出土した物を収集し、学園に寄贈したものです。

 五年前、校舎の全面改築を計画するにあたり、資料室の解体を余儀なくされたのを機に、資料を葛城市歴史博物館に寄託。学芸員・神庭滋氏を中心に収蔵品の整理と調査を行なって頂きました。その過程で、歴史学者の樋口清之氏の報告書『大和竹内石器時代遺蹟』に掲載された秀逸な竹内遺跡出土の縄文時代の石器や土器と一致するものが多く発見され、今回の発表につながりました。また、コレクションの中には竹内遺跡の資料の他、形象埴輪が出土した一楽古墳出土の資料も多く、背面に4匹の獣が鋳出されているほぼ完形の仿製四獣形鏡や、奈良時代の希少な完形の銅鋺が含まれています。

 記者発表には、本校の山田勝美校長をはじめ、四獣形鏡の保存に尽力いただいた菅谷文則奈良県立橿原考古学研究所長、中心となって精力的に収蔵品の保存処理や分析、調査をしていただいた神庭学芸員、目録の作成に携わられた地域文化財研究所の福永信雄所長と松田直子氏が出席して行われ、新聞各社の記者の皆さんから活発な質問が投げかけられるなど、収蔵品への関心の高さが窺われました。

 山田校長は挨拶の中で、初めて本校の資料室で収蔵品と対面した時の感動を語り、目録完成までの経過を紹介した上で、尽力いただいた各機関、各氏に感謝の言葉を述べました。また神庭学芸員からは、資料の膨大な量に驚きつつも、葛城の歴史を知る上で非常に貴重な資料の調査分析に関わってきた経緯を報告いただきました。また竹内遺跡の定説を塗り替える重要な実物資料だと評価されました。そして菅谷所長からは「地域の歴史を調べるために収集された資料が学校に集められることは多いが、このように散逸されずに保存や整理されることは少なく、高く評価したい」とコメントをいただきました。

 これらの収蔵品は本校みやび棟の回廊風展示スペースで一般公開されているほか、葛城市歴史博物館に保管、一部展示されます。

 十一月六日付 朝日新聞、毎日新聞、奈良新聞に記事が掲載されました。